A型システムエンジニアの勉強メモ

情報処理試験の午前問題をネタにして、解説をじっくり書きながら勉強しています。基礎は大事。

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基本情報技術者試験 令和元年度 秋季 午前 問2

8 ビット、16 進表記、排他的論理和(XOR)、論理和(OR)についての問題。

 

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基本情報技術者試験

令和元年度 秋期 午前 問2

 

8 ビットの値の全ビットを反転する操作はどれか。

 

 

16 進表記 00 のビット列と排他的論理和をとる。

 

16 進表記 00 のビット列と論理和をとる。

 

16 進表記 FF のビット列と排他的論理和をとる。

 

16 進表記 FF のビット列と論理和をとる。 

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解説

 

問題では "8 ビットの値"

選択肢では "16 進表記のビット列"

 

16 進数の 1 桁(0 ~ F)は 4 ビットの値と対応する。

16 進表記 4 ビット表記 (参考)10 進表記
0 0000 0
1 0001 1
2 0010 2
3 0011 3
4 0100 4
5 0101 5
6 0110 6
7 0111 7
8 1000 8
9 1001 9
A 1010 10
B 1011 11
C 1100 12
D 1101 13
E 1110 14
F 1111 15

 

4 ビット列は各列が 0 or 1 の 2 パターンで、それが 4 列あるので  2^4 = 16 パターンあることになる。

 

4 ビット列で表現できるパターンは 16 パターン

16 進数の 1 桁(0 ~ F)で表現できるパターンも 同じ16 パターン

なので、4 ビット列と 16 進数の 1 桁を相互に変換することがよくある。

 

 

回答の選択肢には 16 進表記 00 と FF がでてくる。

上の表のとおり、16 進表記の 0 はビット列にすると 0000、F はビット列にすると 1111 なので、16 進表記 00 は 00000000、FF は 11111111 のビット列になる。

 

 

問題文は「8 ビットの値の全ビットを反転する操作はどれか」

選択肢にある排他的論理和論理和についてはこっちで書いたので参考までに。

 

適当な 8 ビットの値を 10010110 としてみて、具体的に各選択肢をみてみる。

 

選択肢ア「16 進表記 00 のビット列と排他的論理和をとる」

適当な 8 ビット 1 0 0 1 0 1 1 0
16 進表記 00 のビット列 0 0 0 0 0 0 0 0
上 2 つの排他的論理和(XOR) 1 0 0 1 0 1 1 0

結果は元の適当な 8 ビットのままになってしまっている。

 

 

選択肢イ「16 進表記 00 のビット列と論理和をとる」

適当な 8 ビット 1 0 0 1 0 1 1 0
16 進表記 00 のビット列 0 0 0 0 0 0 0 0
上 2 つの論理和(OR) 1 0 0 1 0 1 1 0

これも結果は元の適当な 8 ビットのままになってしまっている。

 

 

選択肢ウ「16 進表記 FF のビット列と排他的論理和をとる」

適当な 8 ビット 1 0 0 1 0 1 1 0
16 進表記 FF のビット列 1 1 1 1 1 1 1 1
上 2 つの排他的論理和(XOR) 0 1 1 0 1 0 0 1

結果をみると元の適当な 8 ビットが全て反転していることがわかる。

ということで正解は選択肢ウ

 

 

選択肢エ「16 進表記 FF のビット列と論理和をとる」

適当な 8 ビット 1 0 0 1 0 1 1 0
16 進表記 FF のビット列 1 1 1 1 1 1 1 1
上 2 つの論理和(OR) 1 1 1 1 1 1 1 1

結果は全て 1 になってしまっている。11111111 と OR をとれば、当然こうなる。

 

 

 4 ビットと 16 進数表記の変換は IPv6 の表記でも使われる。

240f:62:4304:1:e5cf:d9b8:e82e:f6db とか。

手動で設定したら高確率で入力ミスしそう。

 

 

前後の問題はこちら。

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基本情報技術者試験 令和元年度 秋季 午前 問1

 10 進数から 2 進数への変換についての問題。

 

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基本情報技術者試験

令和元年度 秋期 午前 問1

 

次の流れ図は、10 進整数 j (0 < j < 100)を 8 桁の 2 進数に変換する処理を表している。2 進数は下位桁から順に、配列の要素 NISHIN(1)から NISHIN(8)に格納される。

流れ図の a 及び b に入れる処理はどれか。ここで、j div 2 は j を 2 で割った商の整数部分を、j mod 2 は j を 2 で割った余りを表す。

 

f:id:koki2016:20210731182519p:plain

 

  a b
j ← j div 2 NISHIN(k) ← j mod 2
j ← j mod 2 NISHIN(k) ← j div 2
NISHIN(k) ← j div 2 j ← j mod 2
NISHIN(k) ← j mod 2 j ← j div 2

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解説

 

基本情報の過去問公開は令和元年の秋季までとのこと。

今後の問題も同じような傾向なのだろうか?

 

ひとまず過去問が参考になることは間違いないと思うので、令和元年秋季の 80 問も書いてみる(もう令和 3 年)。

平成 31 年度春期 80 問書くのにかかった期間を考えると、書き終わるのは 令和 6 年か。

 

 

まず、10 進数を 2 進数にするときの計算は以下の様になる。

例として 10 進数 26 を 2 進数にしてみる。

 

f:id:koki2016:20210801133810p:plain

 

"2 進数は下位桁から順に、配列の要素 NISHIN(1)から NISHIN(8)に格納される"

とあるので、NISHIN(k)には j を 2 で割ったときの余りの数値が格納される。

 

選択肢には "NISHIN(k)  ← j div 2" と "NISHIN(k)← j mod 2" の 2 パターンあるが、NISHIN(k)には j を 2 で割ったときの余りを格納しなければいけないので、"NISHIN(k)← j mod 2" となるべき。

 

なので、"NISHIN(k)← j div 2" となっている選択肢イと選択肢ウは除外される。

"NISHIN(k)← j div 2" では、NISHIN(k)に 2 進数ではありえない 0 , 1 以外の数値が格納されてしまう。

 

 

残るは選択肢アと選択肢エになる。

 

この差は、"NISHIN(k)← j mod 2" と "j ← j div 2" とでどちらを先にやるか、になる。

上の例( j = 26 のケース)で見ると、ループの最初( k = 1 )では NISHIN(1)に 26 を 2 で割った余り(= 0)を格納しなければいけないはず。

 

選択肢アは先に "j ← j div 2" なので、j = 13 と更新される。

その後に "NISHIN(k)← j mod 2" なので、NISHIN(1)が 13 mod 2 = 1 となってしまい合わなくなる。

10 進数から 2 進数への変換の例にあるように、最も下位の桁 NISHIN(1)には最初の j(= 26) の値を 2 で割った際の余りがはいらないといけないが、選択肢アではそうなっていない。 

 

選択肢エは先に "NISHIN(k)← j mod 2" なので、NISHIN(1)が 26 mod 2 = 0 となる(変換の例と同じになっている)。

その後に "j ← j div 2" で j = 13 と更新され、ループがまわっていく。

ということで正解は選択肢エとなる。

 

 

この問題ではループが 8 回周り、NISHIN(1)から NISHIN(8)まであるので 8 桁の 2 進数までなら扱える。

8 桁の 2 進数で最大は 11111111 で、これを 10 進数にすると 255 になる。

問題だと "10 進整数 j (0 < j < 100)" と j の範囲が 100 未満ではあるが、255 までは正常に動く処理のはず。

 

むしろ、最大の j = 99 の場合でも 2 進数にすると 1100011 と 7 桁で収まるので、8 桁でなくてもよかったのでは?

 

 

 

前後の問題はこちら。

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基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問80

 標準化、RFCIETF についての問題(その他略語多数)。

 

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基本情報技術者試験

平成31年度 春期 午前 問80

 

インターネットで利用される技術の標準化を図り、技術仕様を RFC として策定している組織はどれか。

 

 

ア ANSI

 

イ IEEE

 

ウ IETF

 

エ NIST

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解説

 

 

問題文も含めると略語が 5 つ。

RFCANSIIEEEIETF、NIST

 

どれだけ覚えていたかが勝負になる問題。

 

 

RFC(Request for Comments)

  • インターネットに関する技術の標準化や運用について書かれた文書である。
  • IETF により策定されている。
  • 英語をそのまま略すと「コメント募集」。技術仕様を公開して、意見(コメント)を募集していたことに由来する。
  • 「コメント募集」とあるが中身は技術仕様なので初見では混乱を招く。

 

RFCIETF により策定とあるので、問題の答えは選択肢ウの IETF

 

 

正解である選択肢ウは IETF(Internet Engineering Task Force)

  • インターネットに関する標準化団体である。
  • 標準化団体は、その分野における標準を策定する団体である。標準があるから、使っている製品のベンダを変えても同じ動作が期待できる。
  • はずなのであるが、微妙な "実装" の違いが色々と問題を引き起こす。
  • IETF には会員制度がなく、メーリングリストの登録のみで議論が可能、会議も参加費払えばだれでも参加可能、らしい。
  • 策定された標準仕様が RFC として発行される。

 

 

選択肢アは ANSIAmerican National Standards Institute

  • 米国国家規格協会という名称である。
  • アメリカ合衆国における工業規格の標準化を行う機関の一つである。
  • 名称の変遷を書くと、AESC(American Engineering Standards Committee)、ASA(American Standards Association)、USASI(United States of America Standards Institue)の後に ANSI となっている。
  • いっそのこと略語だらけの記事にしてやる。

 

 

選択肢イは IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)

 

 

選択肢エは NIST(National Institute of Standards and Technology)

  • アメリカ国立標準技術研究所である。
  • 暗号技術にでてくる AES(Advanced Encryption Standard)、SHA(Secure Hash Algorithm)シリーズも NIST が標準化している。
  • 有名な原子時計を持っていて、NTP サービスの提供もしている。
  • 最新の原子時計の精度は 10 の 15 乗分の 1 だそうです。 約 3,000 万年で 1 秒ずれる。

 

 

平成 31 年度の午前問題、80 問分がようやく書き終わった。

2 日で 1 問のペースで書けば 160 日くらいで終わるじゃないか!

と書き始めたのが 2 年前か。。。

 

 

 

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基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問79

 知的財産権著作権 > 著作者人格権、についての問題。

 

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基本情報技術者試験

平成31年度 春期 午前 問79

 

著作者人格権に該当するものはどれか。

 

 

印刷、撮影、複写などの方法によって著作物を複製する権利

 

公衆からの要求に応じて自動的にサーバから情報を送信する権利

 

著作物の複製物を公衆に貸し出す権利

 

自らの意思に反して著作物を変更、切除されない権利

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解説

 

著作者人格権は、

  • 著作権一部
  • 著作物を創った人が精神的に傷つけらないように保護する権利の総称

である。

 

ちなみに著作権は、

  • 知的財産権一部
  • 作品を創った人が有する権利の総称 

である。

 

知的財産権の中には産業財産権という権利があり、その中によく聞く特許権がある。

単語が増えてややこしくなってきたのでこのあたりで。

 

 

著作者人格権は 「著作物を創った人が精神的に傷つけられないように保護する権利の総称」であり、以下の権利が含まれている。

  • 公表権:無断で著作物を公表されない権利。中途半端な著作物を勝手に公表されたりしたら、精神的に傷ついてしまう。
  • 氏名表示権:著作物を公表するときには著作者の名前を書いてもらえる権利。手間と時間をかけて公表したのに名前を消されていたら、精神的に傷ついてしまう。
  • 同一性保持権:著作物を無断で改変されない権利。著作物に勝手に微妙な改変をされて本来表現したいものと違うものが世に広まってしまったら、精神的に傷ついてしまう。
  • 名誉声望保持権:著作物の社会的評価を保持する権利。著作物をいかがわしい場所で展示されたりして社会的評価が傷ついたら、精神的にも傷ついてしまう。
  • 出版権廃絶請求権:著作物の出版を止めるように要求できる権利。著作物の内容に誤りがあったりして公表をやめたいのに広まり続けてしまったら、精神的に傷ついてしまう。
  • 修正増減請求権:出版されている著作物に対して、次の出版から修正版を用いるように要求できる権利。出版権廃絶請求権と同様の理由で、精神的に傷ついてしまう。

 

問題の選択肢エ「自らの意思に反して著作物を変更、切除されない権利」が上で赤字にしている同一性保持権のことを書いている。

 

ということで、問題の正解は選択肢エである。

 

 

 

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基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問78

機会損失についての問題。 

 

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基本情報技術者試験

平成31年度 春期 午前 問78

 

表の条件で A ~ E の商品を販売したときの機会損失は何千円か。

 

商品 商品 1 個当たり利益(千円) 需要数(個) 仕入数(個)
A 1 1,500 1,400
B 2 900 1,000
C 3 800 1,000
D 4 700 500
E 5 500 200

 

 

ア 800

 

イ 1,500

 

ウ 1,600

 

エ 2,400

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解説

 

機会損失。

 

「あの時、ああしていれば、もっと儲かったのに。。。」という思いをすること。

 

問題の商品 A を例とすると、1,400 個の仕入れではなく需要と同じ 1,500 個を仕入れていたら、1,500 千円の利益がでていたはず(最善の選択ができた場合)。

ただ実際は 1,400 個しか仕入れていなかったので、1,400 千円の利益にとどまってしまっている。

この利益の差分 100 千円が機会損失になる。

 

 

最善の選択ができなかったことで、儲けそこなった利益が機会損失。

なので、実際に損失をだしている訳ではないことに注意が必要。

 

 

問題の商品 B の場合は "需要数 < 仕入数" なので、需要以上の 100 個は売れ残ってしまい損失になる。

こちらは実際に損失を出してしまっていて、機会損失とは言わない。ただの損失。

 

 

上の商品 A のように「もっと仕入れていればもっと儲かったのに。。。」となるケース、つまり "需要数 > 仕入数" となっている以下の商品でのみ機会損失が発生している。

 

商品 商品 1 個当たり利益(千円) 需要数(個) 仕入数(個)
A 1 1,500 1,400
D 4 700 500
E 5 500 200

 

  • 商品 A はあと 100 個仕入れていたら、更に 100 千円儲けることができていた。 
  • 商品 D はあと 200 個仕入れていたら、更に 800 千円儲けることができていた。
  • 商品 E はあと 300 個仕入れていたら、更に 1,500 千円儲けることができていた。

 

上記の 3 商品分を合計すると、2,400 千円の機会損失になる。

という訳で、問題の答えは選択肢エの 2,400 千円である。

 

 

 

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基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問77

 特性要因図、フィッシュボーンチャートについての問題。

 

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基本情報技術者試験

平成31年度 春期 午前 問77

 

図は特性要因図の一部を表したものである。a, b の関係はどれか。

 

f:id:koki2016:20210513144613p:plain

 

 

ア b は a の原因である。

 

イ b は a の手段である。

 

ウ b は a の属性である。

 

エ b は a の目的である。

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解説

 

"特性要因図" という名の通り、ある特性が起きる要因(原因)を整理するための図。

なので、最初に書いてしまうと問題の正解は選択肢アの「b は a の原因である」になる。

 

本当は「特性」「要因」「原因」「理由」といった単語をちゃんと定義して使い分ける必要があるけど、そこは省略(厳密に書く自信がない)。

 

 

ここで終わると寂しい記事になるのでもう少しお付き合いください。

 

f:id:koki2016:20210619123552p:plain

 

上の例だと、"品質が悪い" という「特性」が起きている原因として、

  • 人(Man)が悪い
  • 機械(Machine)が悪い
  • 方法(Method)が悪い
  • 材料(Material)が悪い

を候補にしている。

これだけだとまだまだ曖昧なので、"方法が悪い" の矢印に "手順書が更新されない" を書き足したり、"機械が悪い" の矢印に "メンテナンス頻度が少ない" を書き足したりして、具体的な原因を探っていく。

 

矢印を増やすと魚の骨のように見えるのでフィッシュボーンチャートとも呼ばれる。

考案者は日本人らしく Ishikawa diagram とも呼ばれるらしい。

 

 

ちなみに、上の例で最初に候補の大枠とした 4 単語は全部 M で始まる単語なので、4M と呼ばれるフレームワークである。

 

「"品質が悪い" の原因は?」

 

とだけ質問されると、どこから考えていいのか困ってしまう。

 

「"品質が悪い" の原因で、人に関係する原因は?」

「"品質が悪い" の原因で、機械に関係する原因は?」

「"品質が悪い" の原因で、方法に関係する原因は?」

「"品質が悪い" の原因で、材料に関係する原因は?」

 

のような質問になると、考えやすくなる。

フレームワークを使うと一度に考える範囲が限定されるので、考えが纏まりやすくなる。

 

似たようなものだと 4P(Product、Price、Promotion、Place)とか 3C(Company、Customer、Competitor)とかもフレームワーク

 

「ヒト、モノ、カネ」とかもフレームワークにできる。

 

 

全然関係ないけど、鳥の叉骨(ウィッシュボーン)を思い出した。 

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基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問76

社内カンパニー制についての問題。 

 

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基本情報技術者試験

平成31年度 春期 午前 問76

 

社内カンパニー制を説明したものはどれか。

 

1 部門を切り離して別会社として独立させ、機動力のある多角化戦略を展開する。

 

合併、買収によって、自社にない経営資源を相手企業から得て、スピーディな戦略展開を図る。

 

時間を掛けて研究・開発を行い、その成果を経営戦略の基礎とする。

 

事業分野ごとの仮想企業を作り、経営資源配分の効率化、意思決定の迅速化、創造性の発揮を促進する。

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解説

 

社内カンパニー制とは、社内の各事業をそれぞれ独立した会社のように扱う企業の形態のこと。

あくまで社内で独立した会社の "様に扱う" だけなので、外から見たら一つの企業である。

 

仮想的に企業として扱うことの、ざっくりとしたメリットは以下の様なもの。

  • 各事業毎に独立して経営判断ができるので、その事業だけを考えた素早い判断ができる。
  • 各事業毎に収益がはっきりと見えるようになるので、その事業が利益を(損を)出しているかがよくわかる。

 

選択肢エの「事業分野ごとの仮想企業を作り、経営資源配分の効率化、意思決定の迅速化、創造性の発揮を促進する」が正解の社内カンパニー制の説明になる。

あくまで、仮想的な企業であることに注意。

 

 

選択肢アの「1 部門を切り離して別会社として独立させ、機動力のある多角化戦略を展開する」は "別の会社" としてしまっているので、社内カンパニー制ではない。

 

 

選択肢イの「合併、買収によって、自社にない経営資源を相手企業から得て、スピーディな戦略展開を図る」は M&A の説明になる。

M&A を略さず書くと Mergers(合併) and Acquisitions(買収)となる。

英語の授業で Acquisitions(買収)なんて単語使う機会はなかった。

 

 

選択肢ウの「時間を掛けて研究・開発を行い、その成果を経営戦略の基礎とする」はコアコンピタンスの説明になる。

他社が簡単に真似できない、レベルの高い技術(=コアコンピタンス)を確立して、それを戦略の中核にする。

 

似たような意味だとケイパビリティという言葉もある。

コアコンピタンスは特定の技術における強みで、ケイパビリティは企業のプロセス全体(開発~販売)で強みがあるときに使う。

 

 

日常会話で「コアコンピタンスが~、ケイパビリティが~、」とは使わない方がいい。

 

 

選択肢問題はこちら。

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