基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問64
ビッグデータの活用事例についての問題。
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平成31年度 春期 午前 問64
ビッグデータの活用事例を、ビッグデータの分析結果のフィードバック先と反映タイミングで分類した場合、表中の d に該当する活用事例はどれか。
ア
会員カードを用いて収集・蓄積した大量の購買データから、一人一人の嗜好を分析し、その顧客の前月の購買額に応じて、翌月のクーポン券を発行する。
イ
会員登録をした来店客のスマートフォンから得られる位置データと、来店客の購買履歴データを基に、近くの売場にある推奨商品をスマートフォンに表示する。
ウ
系列店の過去数年分の POS データから月ごとに最も売れた商品のランキングを抽出し、現在の月に該当する商品の映像を店内のディスプレイに表示する。
エ
走行中の自動車から、車両の位置、速度などを表すデータをクラウド上に収集し分析することによって、各道路の現在の混雑状況を Web サイトに公開する。
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解説
ビッグデータの活用事例。
道路の混雑状況がリアルタイムでわかる(選択肢エ)みたいなのは素直に嬉しい。
Google マップとか、すぐに混雑状況を反映したルートを提案してくる。
細い裏道をこれでもかと使うのはやめてほしいけど。異様なまでに道に詳しくて怖い。
推奨商品をスマートフォンに表示する(選択肢イ)みたいなのは、頻繁に表示されるとイラっとしてしまう。
あと、あなたにお勧めといわれると見なくなってしまう。天邪鬼な性格。
問題に答えるには、分析結果のフィードバック内容が特定の個人毎になるのかそうでないのか、フィードバックのタイミングが決まった一定期間ごとなのか即時(リアルタイム)なのか、で選択肢を分類すれば良い。
選択肢ア「会員カードを用いて収集・蓄積した大量の購買データから、一人一人の嗜好を分析し、その顧客の前月の購買額に応じて、翌月のクーポン券を発行する。」
"その顧客の" とあるので、フィードバックは特定の個人毎に異なるものになる。
また、月毎に翌月のクーポン券を発行していると読み取れるので、フィードバックのタイミングは決まった一定期間になる。
なので "顧客個々+一定期間" となり表中の c に該当するので正解ではない。
選択肢イ「会員登録をした来店客のスマートフォンから得られる位置データと、来店客の購買履歴データを基に、近くの売場にある推奨商品をスマートフォンに表示する。」
過去に何を購入したかと、今現在の位置でフィードバック内容が変わるので、フィードバックは個人毎に異なるものになる。
また、顧客が売場に近づいたときにフィードバックが発生するので、タイミングは即時になる。
なので "顧客個々+即時” となり表中の d に該当するので、これが正解である。
選択肢ウ「系列店の過去数年分の POS データから月ごとに最も売れた商品のランキングを抽出し、現在の月に該当する商品の映像を店内のディスプレイに表示する。」
フィードバック内容は店内のディスプレイに表示されるので、個人毎に異なる内容ではないため顧客(来店客)全員がフィードバック先となっている。
また、表示される内容は月毎に変化しているため、フィードバックのタイミングは一定期間になる。
なので "顧客全体+一定期間" となり表中の a に該当するので正解ではない。
選択肢エ「走行中の自動車から、車両の位置、速度などを表すデータをクラウド上に収集し分析することによって、各道路の現在の混雑状況を Web サイトに公開する。」
フィードバック内容は Web サイトに表示されるので、個人毎に異なる内容とはなっていない。顧客(Web サイト閲覧者)全体がフィードバック先になる。
また、表示される内容は "現在の" 混雑状況であるので、フィードバックのタイミングは即時になっている。
なので "顧客全体+即時" となり表中の b に該当するので正解ではない。
選択肢エは混雑状況の表示先が車のカーナビとかスマートフォンで、現在地(顧客毎に異なる)周囲に特化した混雑状況を表示するとなれば正解の "顧客個々+即時" になっていたかもしれない。
前後の問題はこちら。