基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問42
不正のトライアングル(機会、動機、正当化)についての問題。
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平成31年度 春期 午前 問42
不正が発生する際には "不正のトライアングル" の 3 要素全てが存在すると考えられている。"不正のトライアングル" の構成要素の説明として、適切なものはどれか。
ア
"機会" とは、情報システムなどの技術や物理的な環境、組織のルールなど、内部者による不正行為の実行を可能又は容易にする環境の存在である。
イ
"情報と伝達" とは、必要な情報が識別、把握及び処理され、組織内外及び関係者相互に正しく伝えられるようにすることである。
ウ
"正当化" とは、ノルマによるプレッシャーなどのことである。
エ
"動機" とは、良心のかしゃくを乗り越える都合の良い解釈や他人への責任転嫁など、内部者が不正行為を自ら納得させるための自分勝手な理由付けである。
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解説
不正のトライアングルの 3 要素は "機会"、"動機"、"正当化" となる。
PS5 が複数台変えるチャンスがあり(機会)、お金が欲しい(動機)、みんなやってるし違法じゃないし(正当化)となると転売ヤーがでてくる。
※以下しばらく脱線。個人の意見なので、興味なければとばしてしまって。
転売ヤーからは絶対に買わないように。
誰も買わなければ、勝手に損だけして、自然と消えていく。
転売すべてがダメとは思っていないと意思表示。
リサイクルショップに埋もれていた骨董品を見つけて適正な価格で売るという転売は、もしかしたら売れずに処分されていたかもしれないモノの本来の価値をみいだして、それが欲しかった人に届けることができている。
このとき転売する方が得る利益は、購入者からみるとその骨董品を探し出してくれたという価値と考えることもできる(双方合意の売買なら)。
地方や離島でしか販売されていない商品の転売で得る利益は、購入者からみると本来かかる交通費を大きく減らせるという価値と考えることもできる。
ただ、この場合は離島で商品を作って販売している方がそれをどう思うかが大切だと考える。余計なことしないでほしいと思われるなら、その転売は良くないと思う。
PS5 や Switch の転売ヤーが本来の価格に乗せている利益には、何の価値もない。
販売価格(適切な価値)が定まっていて、販売ルートも整っている商品である。迷惑を顧みずに買い占めをして、手に入りにくい状況を不正につくって、今すぐ手に入るという価値をお金に換えて上乗せしているだけ。
この価値も転売ヤーがいなければ普通に存在していたはずの、見せかけの価値である。何も付加価値を生まず、余計なコストだけを積まれている。そんな見せかけの価値に大切なお金を使わないように。
壮大に脱線したところで本題に。
"機会" については選択肢ア「"機会" とは、情報システムなどの技術や物理的な環境、組織のルールなど、内部者による不正行為の実行を可能又は容易にする環境の存在である」の説明が該当する。
不正が簡単にできてしまう状況にある、ということ。見てはいけない機密情報を簡単にみれてしまう環境、など。
正しい文章となっているので、問題の正解は選択肢ア。
"動機" については選択肢ウの後半「ノルマによるプレッシャーなどのことである」の説明が該当する。
不正に手をださせる誘惑がある、ということ。不正をすればノルマのプレッシャーから解放される、など。
"正当化" については選択肢エの後半「良心のかしゃくを乗り越える都合の良い解釈や他人への責任転嫁など、内部者が不正行為を自ら納得させるための自分勝手な理由付けである」の説明が該当する。
不正をしても自分は悪くないと考える可能性がある、ということ。毎回きついノルマを課してくる上司が悪いと考える、など。
選択肢ウとエは要素と説明が入れ替わっているので間違い。
選択肢イは良いことを書いていて、むしろ不正を起きにくくする内容。
前後の問題はこちら。