基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問61
エンタープライズアーキテクチャと、ビジネスアーキテクチャ、データアーキテクチャ、アプリケーションアーキテクチャ、テクノロジーアーキテクチャについての問題(長い)
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平成31年度 春期 午前 問61
エンタープライズアーキテクチャを構成するアプリケーションアーキテクチャについて説明したものはどれか
ア
業務に必要なデータの内容、データ間の関連や構造などを体系的に示したもの
イ
業務プロセスを支援するシステムの機能や構成などを体系的に示したもの
ウ
情報システムの構築・運用に必要な技術的構成要素を体系的に示したもの
エ
ビジネス戦略に必要な業務プロセスや情報の流れを体系的に示したもの
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解説
ざっくりと書くと、ある視点で分割した構成要素によって企業全体を表したもの。
わかりにくい。
単語の意味は以下の通り。
エンタープライズ(Enterprise):企業、事業、冒険
アーキテクチャ(Architecture):建築物、建築様式、構造
あるシステムを部品という構成要素で
・メモリ:DDR4 SDRAM ○○○○
・ディスク:SSD ○○○○
・OS:Windows Server ○○○○
のように表したものをシステムのアーキテクチャと呼ぶ。
※厳密な言葉の定義とは違うかもしれないが、気にしない。
同じように、ある企業を何かしらの構成要素で表したものがエンタープライズアーキテクチャのイメージになる。
企業(エンタープライズ)の構造(アーキクチャ)がわかるようにする。
"何かしらの構成要素" をどのような観点で考えるかによって 4 つのパターンがある。
問題の選択肢はこのパターンのどれかに対応している。
1.ビジネスアーキテクチャ
企業のビジネスのアーキテクチャ(構造)なので、企業がどんなビジネスをしているかがわかるようなものになる。
どのような情報やモノを外から仕入れて、どのような業務プロセスでそれらを扱い、どのような成果物を外に提供しているかが体系的に示される。
また、各業務プロセスにどのように企業の人材や技術、お金が関わるかも示される。
選択肢エ「ビジネス戦略に必要な業務プロセスや情報の流れを体系的に示したもの」がこのビジネスアーキテクチャに該当する。
2.データアーキテクチャ
企業のデータのアーキテクチャ(構造)なので、企業がどのようなデータを取り扱っているかがわかるようなものになる。
業務の中で扱っているデータの種類や内容、それらデータがどのように連携しているかが体系的に示される。
選択肢ア「業務に必要なデータの内容、データ間の関連や構造などを体系的に示したもの」がこのデータアーキテクチャに該当する。
3.アプリケーションアーキテクチャ
企業のアプリケーションのアーキテクチャ(構造)なので、企業がどのようなアプリケーション(情報システム)を用いているかがわかるようなものになる。
業務の中で利用している経理システムや人事情報システム、発注システム等などの構成やそれらの機能が体系的に示される。
選択肢イ「業務プロセスを支援するシステムの機能や構成などを体系的に示したもの」がこのアプリケーションアーキテクチャに該当する。
アプリケーションアーキテクチャを説明している選択肢を答える問題なので、正解はこの選択肢イ。
企業のテクノロジーのアーキテクチャ(構造)なので、企業がどのようなテクノロジー(ハードウェアとかソフトウェアとか)を用いているかがわかるようなものになる。
業務の中で利用されている情報システムがどのようなハードウェアとソフトウェアで構成されているかが体系的に示される。
テクノロジーと聞くと、企業が持っている技術(ノウハウ)と勘違いしてしまいそうな気がする。
選択肢ウ「情報システムの構築・運用に必要な技術的構成要素を体系的に示したもの」がこのテクノロジーアーキテクチャに該当する。
これらのアーキテクチャを活用することで、企業の全体像を体系的に見ることができるようになる。
"体系的" って言葉をよく使うけど厳密にはどんな意味かと goo 辞書で調べると "系統的、統一的" とのこと。
"系統的" を調べると "順序だって組み立てられているさま" とのこと。
体系的も系統的も google 翻訳によると英単語は systematic になるそうです。
前後の問題はこちら。