基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問63
BI(Business Intelligence、ビジネスインテリジェンス)についての問題。
--------------------------
平成31年度 春期 午前 問63
BI(Business Intelligence)の活用事例として、適切なものはどれか。
ア
競合する他社が発行するマニュアルレポートなどの刊行物を入手し、経営戦略や財務状況を把握する。
イ
業績の評価や経営戦略の策定を行うために、業務システムなどに蓄積された膨大なデータを分析する。
ウ
電子化された学習教材を社員がネットワーク経由で利用することを可能にし、学習・成績管理を行う。
エ
りん議や決裁など、日常の定形的業務を電子化することによって、手続を確実に行い、処理を迅速にする。
--------------------------
解説
Business:事業、企業、等
Intelligence:情報、知性、知恵、等
から推測できるように、 Business Intelligence は "企業に蓄えられた情報" とか "事業に関する知恵" といった意味になる。
過去の販売情報とか製造情報とか人事情報など、これまでの企業活動のノウハウが詰まった膨大なデータが企業にはあるけれど有効に活用されていないケースが多い。
ビジネスが複雑かつスピードが要求されるようになってきている中で、効率的かつ迅速な経営判断をするための判断材料の一つとして、これらデータの利活用が着目されている。
そのためのツール(BI ツール)が色々と出てきている。
それらのツールでまずは蓄積されたデータをすぐに見れる状態にする(可視化する)のだけど、それが非常に大変。
各データが保存されているシステムがバラバラ、データフォーマットがバラバラ、管理者の所属がバラバラ、アクセス権限の範囲がバラバラ、といった感じでとにかく集約するためのハードルが多い。
ハードルを乗り越えて可視化しただけで満足(力尽きる)とならないように。
上記と同じことを書いてある選択肢イ「業績の評価や経営戦略の策定を行うために、業務システムなどに蓄積された膨大なデータを分析する。」が正解。
正解以外の選択について。
選択肢ア「競合する他社が発行するマニュアルレポートなどの刊行物を入手し、経営戦略や財務状況を把握する。」は競合分析のことで、BI とは関係がない。
選択肢ウ「電子化された学習教材を社員がネットワーク経由で利用することを可能にし、学習・成績管理を行う。」は LMS(Learning Management System)のこと。
e ラーニング教材の管理や配信、社員の受講状況や成績管理を可能にするシステムである。
このシステムに蓄積された "社員の受講講座や成績" の情報と、別のシステムに蓄積された "社員の営業成績" の情報を分析して何かしらの強い相関が見つかれば、今後の教材作成の新たな指針とすることができる。といった BI の活用事例もありそう(想像)。
選択肢エ「りん議や決裁など、日常の定形的業務を電子化することによって、手続を確実に行い、処理を迅速にする。」はワークフローシステムのこと。
ワークフロー(=業務の流れ)を電子化してシステムで管理する。
手続きの記録が電子的に保管できる、手続きが今どのような状態か把握できる、誰が手続きを止めているか分かる(お前か!)、といったメリットがある。
このシステムに蓄積された情報から "差し戻しが多く発生する手続き" とその要因が判明すれば、日常の定型的業務を改善して業務の効率化ができる。といった BI の活用事例もありそう(想像)。
前後の問題はこち