基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問66
非機能要件、機能要件についての問題。
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平成31年度 春期 午前 問66
非機能要件項目はどれか。
ア
新しい業務の在り方や運用に関わる業務手順、入出力情報、組織、責任、権限、業務上の制約などの項目
イ
新しい業務の遂行に必要なアプリケーションシステムに関わる利用者の作業、システム機能の実現範囲、機能間の情報の流れなどの項目
ウ
経営戦略や情報戦略に関わる経営上のニーズ、システム化・システム改善を必要とする業務上の課題、求められる成果・目標などの項目
エ
システム基盤に関わる可用性、性能、拡張性、運用性、保守性、移行性などの項目
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解説
"非" 機能要件(non-functional requirement)なので、機能要件ではない要件のこと。
機能要件とは、システムに要求される仕様のうち機能や挙動に関係する要件のこと。
「○○があること。」とか「○○ができること。」とはっきり書ける内容になる。
- ケーブルを接続して充電できること。
- ケーブルの切断を検知して内部電源に切り替え稼働を継続できること。
といった内容は機能要件になる。
ただし機能要件だけでシステムの仕様を書いてしまうと、完成したものが使い物にならないケースがでてきてしまう。
上の例に対しては、以下のようなシステムでも仕様を満たしていることになってしまう。
- ケーブルを接続して充電できる。(フル充電に 100 時間かかるけど)
- ケーブルの切断を検知して内部電源に切り替え稼働を継続できる。(10秒しかもたないけど)
これでは使途に勝てない。
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ここで書くことが重要になるのが非機能要件になる。
- ケーブルを接続して充電できること。(機能要件)
- 充電は 10 時間以内に完了できること。(非機能要件)
- ケーブルの切断を検知して内部電源に切り替え稼働を継続できること。 (機能要件)
- 内部電源による稼働は 5 分以上可能であること。(非機能要件)
このように性能や可用性に関する要件(非機能要件)もしっかり書くことで、ちゃんと使えるシステムが完成する。
ということで、非機能要件項目はどれかという問題の正解は選択肢エ「システム基盤に関わる可用性、性能、拡張性、運用性、保守性、移行性などの項目」となる。
非機能要件を書かなくてもシステムに必要な機能は揃うけど、使い物にならないシステムが完成してしまう可能性がある。
一方で、非機能要件を厳しく書きすぎると完成に必要な費用が膨れ上がってしまう。
- 内部電源による稼働は 24 時間以上可能であること。(非機能要件)
そんな内部電源を本気で開発しようとしたらとんでもない費用がかかる。
(もしくは S2 機関を。。。)
システムに必要な機能ははっきりしているので、機能要件は書きやすい。
非機能要件は業務内容を理解して過不足のない要件を書かないといけないので、書くことが難しい。
新劇場版の最後はいつ公開だろうか。
前後の問題はこちら。