基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問71
HEMS(Home Energy Management System)について、ついでに予知保全や ADAS についての問題。
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平成31年度 春期 午前 問71
IoT の応用事例のうち、HEMS の説明はどれか。
ア
工場内の機械に取り付けたセンサで振動、温度、音などを常時計測し、収集したデータを基に機械の劣化状態を分析して、適切なタイミングで部品を交換する。
イ
自動車に取り付けたセンサで車両の状態、路面状況などのデータを計測し、ネットワークを介して保存し分析することによって、効率的な運転を支援する。
ウ
情報通信技術や環境技術を駆使して、街灯などの公共設備や交通システムをはじめとする都市基盤のエネルギーの可視化と消費の最適制御を行う。
エ
太陽光発電装置などのエネルギー機器、家電機器、センサ類などを家庭内通信ネットワークに接続して、エネルギーの可視化と消費の最適制御を行う。
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解説
HEMS は Home Energy Management System の略。
Home Enerty(家庭のエネルギー)を Management する System。
なので、家庭におけるエネルギーの制御について書いている選択肢エが正解。「太陽光発電装置などのエネルギー機器、家電機器、センサ類などを家庭内通信ネットワークに接続して、エネルギーの可視化と消費の最適制御を行う。」
Home の部分だけ異なる仲間が色々あるらしい。
- 家庭(Home)のエネルギーを制御する HEMS
- ビル(Building)のエネルギーを制御する BEMS
- マンション(Mansion)のエネルギーを制御する MEMS
- 工場(Factory)のエネルギーを制御する FEMS
似たような略語があっという間に増えていく。
選択肢ア「工場内の機械に取り付けたセンサで振動、温度、音などを常時計測し、収集したデータを基に機械の劣化状態を分析して、適切なタイミングで部品を交換する」は予知保全の説明。
壊れそうな兆候がでたらすぐに部品を交換してしまう。
似た言葉の予"防"保全では定期メンテのように経験的に決められた期間の経過などで交換する。
予知保全であれば、想定よりも早く劣化した部品が故障する前に交換することが可能になり、機械の稼働率を向上できる可能性がある。
選択肢イ「自動車に取り付けたセンサで車両の状態、路面状況などのデータを計測し、ネットワークを介して保存し分析することによって、効率的な運転を支援する」は先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance Systems)の説明。
自動ブレーキ、自動駐車、などなど多彩なシステムがある。
フロントガラス越しに直接外を見るのではなく、外の映像を車内のフロントやサイドに投影して死角をなくすような取り組みもあるらしい。
選択肢ウ「情報通信技術や環境技術を駆使して、街灯などの公共設備や交通システムをはじめとする都市基盤のエネルギーの可視化と消費の最適制御を行う」はスマートシティの説明。
前後の問題はこちら。