A型システムエンジニアの勉強メモ

情報処理試験の午前問題をネタにして、解説をじっくり書きながら勉強しています。基礎は大事。

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基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問13

デュアルシステム、デュプレックスシステム、ロードバランサーなど冗長構成に関する問題。

 

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基本情報技術者試験

平成31年度 春期 午前 問13

 

冗長構成におけるデュアルシステムの説明として、適切なものはどれか。

 

2 系統のシステムで並列処理をすることによって性能を上げる方式である。

 

2 系統のシステムの負荷が均等になるように、処理を分散する方式である。

 

現用系と待機系の2系統のシステムで構成され、現用系に障害が生じたときに、待機系が処理を受け継ぐ方式である。

 

一つの処理を 2 系統のシステムで独立に行い、結果を照合する方式である。

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解説

 

冗長構成に関する横文字は似たようなものが多くて混乱しやすい。

毎回ググって覚え、また忘れていく。

 

まず正解を書いてしまうと、選択肢エが正解のデュアルシステム

同じことを 2 系統で実行して、お互いの結果を照合して問題ないかを確認する事で信頼性を高めている。

どちらか 1 系統が壊れた場合、照合による確認はできないが処理は継続できるので冗長構成となっている。

照合して結果が一致しない場合はエラーとなるため、正しく処理が実行されていることも保証される(100%ではないけれど)。

 

 

選択肢アは複数の機器が動いてはいるけれど、並列処理なのである処理をしている機器は一台のみとなる。そのため冗長構成ではない

並列処理とは、仕事を分割して同時に実行してしまい、かかる時間を減らす(性能を上げる)ための処理である。

"1 から 10 を足す" という仕事を "1 から 5 を足す" 仕事と "6 から 10 を足す" 仕事に分割して別々のシステムに任せ、各々のシステムが返してくる 15 と 40 という結果を集約して 55 とする。

一方が動けなくなると処理は止まってしまうので、性能は上がるけど冗長構成ではない。

 

 

選択肢イはロードバランサー(負荷分散)という機能の説明。

発生した仕事を、2 系統のうち仕事量が少ない方に任せていく。1 系統が止まっても残る方で処理を継続できるので、冗長構成にはなっている。

ただし、残った 1 系統が止まった方の仕事もやることになり、倍増した負荷でパンクしてしまい、そのまま全系統停止ということもありえる。

見せかけの冗長構成には要注意。

負荷が倍増しても処理が可能なスペックとしておくか、ロードバランサーが仕事を任せるペースを調整するか、などを考えておく必要がある。

 

 

選択肢ウはデュアルシステムのように同じことをする機器が 2 系統あるが、一方が通常時に処理をする現用系(主系)、もう一方は現用系が障害で止まってしまったときの予備機である待機系(副系)となり、同時に処理は実行していない。

このような冗長構成をデュプレックスシステムと呼ぶ。

アクティブ/スタンバイ構成などとも呼ぶ。

 

デュアル(dual)もデュプレックス(duplex)も意味は "二重の" になる。

英語のニュアンスの違いはわからないので、誰か教えて。

 

デュプレックスシステムは待機系の動き方が大きく 3 パターンある。

 

現用系が停止するまで待機系の電源すら入れていないコールドスタンバイ。

待機系の電源は入れておくけど、現用系が停止したタイミングから必要なデータを同期しだすウォームスタンバイ。

待機系が常に現用系とデータを同期していて、現用系が停止したも即座に切り替え可能なホットスタンバイ。

次第に暖かい名前になっていく。

現用系の停止から待機系への切り替えにかかる時間と、それに必要な費用の天秤になる。

 

システム管理側からすると、コールドスタンバイは避けたい。電源入れるとき、データ同期するとき、だいたい何かが起きる。

試験の時は成功するくせに(個人的な感想)。

 

 

前後の問題はこちら。