A型システムエンジニアの勉強メモ

情報処理試験の午前問題をネタにして、解説をじっくり書きながら勉強しています。基礎は大事。

広告

基本情報技術者試験 令和元年度 秋季 午前 問4

 極限、無限大、が含まれる数式の問題。

 

--------------------------

基本情報技術者試験

令和元年度 秋期 午前 問4

 

 a および  b を定数とする関数   \displaystyle f(t) = \frac{a}{t+1}   及び   \displaystyle g(t) = \frac{b}{t^{2}-t}   に対して、 \displaystyle \lim_{t \to \infty} \frac{g(t)}{f(t)}   はどれか。ここで、 a ≠ 0  b ≠ 0  t \gt 1 とする。

 

ア 0

イ 1

ウ  \frac{b}{a}

エ ∞

--------------------------

解説

 

 

この問題で初めて、はてなブログで数式を書く方法を知りました。

TeX と同じような書き方ができるのね。

 

確率や 2 進数といった数学を絡ませた情報処理の問題は多いけど、これはがっつりと数学の問題になっている。

 

 

このような無限大への極限がある問題では、 \displaystyle \lim_{t \to \infty} \frac{1}{t} \to 0   であることを利用する。

分子が 1 ではなく a や b などの定数であっても、分母が限りなく大きくなれば、その分数は 0 に近付いていく。

 

 \displaystyle f(t) = \frac{a}{t+1}   、  \displaystyle g(t) = \frac{b}{t^{2}-t}   なので、

 \displaystyle \lim_{t \to \infty} \frac{g(t)}{f(t)} = \lim_{t \to \infty} \frac{b \cdot (t+1)}{a \cdot (t^{2}-t)}   となる。

 

これの分子と分母を   t^{2}   で割ると以下のようになる。

 

 \displaystyle \lim_{t \to \infty} \frac{b \cdot (\frac{1}{t} + \frac{1}{t^{2}})}{a \cdot (1 - \frac{1}{t})}

 

ここで、 \displaystyle \lim_{t \to \infty} \frac{1}{t^{2}} \to 0   でもある(分母が大きくなるスピードが  \displaystyle \frac{1}{t}  の場合よりも早くなるだけ)ので以下のようになる。

 

 \displaystyle \lim_{t \to \infty} \frac{b \cdot (\frac{1}{t} + \frac{1}{t^{2}})}{a \cdot (1 - \frac{1}{t})} \to  \frac{b \cdot (0+0)}{a \cdot (1 - 0)} = \frac{0}{a}

 

問題文から a ≠ 0 であるので、問題の正解は選択肢アの 0 になる。

(a = 0 の可能性がある場合、分母が 0 となってしまうので NG な分数になってしまう。)

 

 

上記は真面目な解き方。

 

楽な解き方として以下のような考え方もある。

  •  f(t)   も   g(t)  t \to \infty で 0 に近付く。
  • どちらも 0 に近付くが、 g(t) の方が早く 0 に近付く(  \displaystyle \frac{1}{t}   よりも   \displaystyle \frac{1}{t^{2}}   の方が小さくなるスピードが早いので)。
  •  g(t)   の方が早く 0 に近付いていくので、 \displaystyle \lim_{t \to \infty} \frac{g(t)}{f(t)}   は分子の方が先に小さくなって 0 に近付いていく。つまり、分数としても 0 に近付いていく。

 

 

前後の問題はこちら。

koki2016.hatenadiary.com