基本情報技術者試験 令和元年度 秋季 午前 問19
バックアップについての問題。
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令和元年度 秋期 午前 問19
バックアップ方式の説明のうち、増分バックアップはどれか。ここで、最初のバックアップでは、全てのファイルのバックアップを取得し、OS が管理しているファイル更新を示す情報はリセットされるものとする。
ア
最初のバックアップの後、ファイル更新を示す情報があるファイルだけをバックアップし、ファイル更新を示す情報は変更しないでそのまま残しておく。
イ
最初のバックアップの後、ファイル更新を示す情報に関わらず、全てのファイルをバックアップし、ファイル更新を示す情報はリセットする。
ウ
直前に行ったバックアップの後、ファイル更新を示す情報があるファイルだけをバックアップし、ファイル更新を示す情報はリセットする。
エ
直前に行ったバックアップの後、ファイル更新を示す情報にかかわらず、全てのファイルをバックアップし、ファイル更新を示す情報は変更しないでそのまま残しておく。
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解説
増分バックアップと差分バックアップという似たような方法があるので注意が必要。
どちらも最初にフルバックアップ(全てのファイルをバックアップ)をする点は同じで、その後に差がある。
青色のファイルがフルバックアップされた後、翌日に黄色のファイルが追加(更新)され、翌々日に緑色のファイルが追加(更新)されたとする。
まずは増分バックアップの場合について。
翌日と翌々日における増分バックアップの対象になるファイルを赤の点線で囲ってみる。
上の通り、前日のバックアップ(直前のバックアップ)から更新があったファイルのみが増分バックアップの対象になる。
一方の差分バックアップの場合について
同じように翌日と翌々日における差分バックアップの対象になるファイルを赤の点線で囲ってみる。
翌々日のバックアップ対象が、増分バックアップとは異なっていることがわかる。
差分バックアップでは、初日のフルバックアップを基準として、そこから更新があったファイルは常にバックアップの対象となる。
増分バックアップは、
- 直前のバックアップから更新があったファイルがバックアップの対象になる。
- 一回の増分バックアップのサイズは小さくなる。
- リストアする際はフルバックアップと全ての増分バックアップを組み合わせる必要がある(一つでも紛失すると大変なことに)。
差分バックアップは、
- フルバックアップから更新があったファイルがバックアップの対象になる。
- 一回の差分バックアップのサイズは次第に大きくなる。
- リストアする際はフルバックアップと一つだけの差分バックアップを組み合わせれば十分になる。
と説明したところで、各選択肢をみてみる。
選択肢アは「最初のバックアップの後、ファイル更新を示す情報があるファイルだけをバックアップし、ファイル更新を示す情報は変更しないでそのまま残しておく」
最初のバックアップ=フルバックアップである。
更新されたファイルがバックアップされても更新を示す情報は変更されないので、更新があったファイルは毎回バックアップの対象となることがわかる。
これは上の差分バックアップと同じ状況になるので、増分バックアップではない。
選択肢イは「最初のバックアップの後、ファイル更新を示す情報に関わらず、全てのファイルをバックアップし、ファイル更新を示す情報はリセットする」
更新を示す情報を全く気にしていないので、毎回毎回フルバックアップを取得しているだけになる。
毎回長時間のバックアップが発生するが、リストアするときは一番楽ではある。
選択肢ウは「直前に行ったバックアップの後、ファイル更新を示す情報があるファイルだけをバックアップし、ファイル更新を示す情報はリセットする」
毎回のバックアップでファイル更新を示す情報がリセットされているので、一度バックアップされたら、その次のバックアップでは対象にならない。
これは上の増分バックアップと同じ状況になっているので、この問題の正解はこの選択肢ウである。
選択肢エは「直前に行ったバックアップの後、ファイル更新を示す情報にかかわらず、全てのファイルをバックアップし、ファイル更新を示す情報は変更しないでそのまま残しておく」
選択肢イと同じで、更新を示す情報を全く気にしていないので、毎回毎回フルバックアップを取得しているだけになる
更新を示す情報を残しているとあるが、更新を示す情報を気にせずバックアップするので何の意味もない。
前後の問題はこちら。