基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問53
作業工程を図示するアローダイアグラムとクリティカルパスの問題。
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平成31年度 春期 午前 問53
アローダイアグラムの日程計画をもつプロジェクトの、開始から終了までの最小所要日数は何日か。
ア 9
イ 10
ウ 11
エ 12
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解説
ひとつ前の問題(プレシデンスダイアグラム法)と同じく作業工程を図示する方法であるアローダイアグラムの問題である。
基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問52 - A型システムエンジニアの勉強メモ
図の丸は作業間のつながりを示していて、作業そのものは矢印部分で表されていることに注意。
ゲームのマップとかだと丸の部分でイベント(作業)が起きそうだけど。
一番左の丸が全体の作業開始となり、最初は A という矢印(作業)だけが実施され、それが完了した後は B、C、D という 3 つの作業が並行して実施されることになる。
矢印が合流する丸については、合流する全ての矢印の作業が完了してはじめて次の作業に進める。
この問題だと中段の一番右の丸がそれに該当していて、 H と I の両方の作業が完了したら J の作業が開始できることになる。
プロジェクトが終了する = 全ての作業が完了するなので、G と J の作業が完了して最後の丸に向かう矢印が全てたどり着けばプロジェクトが終了となる。
全ての作業が所要日数通りに進んだとして、最後の丸に全ての矢印がたどり着くまでどれだけの日数がかかるか、という問題になる。
赤丸から B、C、D の 3 作業に分岐し、その先で分岐はないので、終了の黄丸まで 3 種類のルートがあることになる。
上段のルート(A-B-E-H = 8日かかる)と中段のルート(A-C-F-I = 7日かかる)が青丸の部分で合流しないと次の J の作業には進めない。
中段のルート(A-C-F-I)が 7 日目で終わったとしても、上段のルートが 8 日目で終わるまで待たないと J を開始できない。
上段と中段のルートが合流した後に J の作業を始めることができる。
青丸までの 8 日と J の所要日数 4 日で、12 日目で黄丸に到着することになる。
残る下段のルート(A-D-G)を見ると、黄丸には 9 日目で到着しているので、上段や中段のルートから黄丸に到着する 3 日前には黄丸に到着していたことになる。
よって、全ての作業が完了するのは J の作業が完了した 12 日目となるので、問題の正解は選択肢エとなる。
中段のルートは青丸の合流で 1 日待機し、下段のルートは黄丸で 3 日待機していた。
1 日の余裕もない上段のルート(A-B-E-H-J)のことをクリティカルパスと呼ぶ。
クリティカルパス上のどれか一つでも作業が遅延すると、プロジェクトの最小所要日数が同じだけ長くなってしまう。
例えば H の作業が 2 日から 3 日に伸びると、J の作業終了(プロジェクトの終了)は 13 日目になってしまい、当初の 12 日から 1 日長くなってしまう。
クリティカルパス上の作業は特に注意して管理する必要がある。
一方で、プロジェクトの最小所要日数を短縮したければ、クリティカルパス上の作業をどれか短縮すればよい(そう簡単に短縮できればいいけど)。
例えば H の作業が 2 日から 1 日に短縮されると、J の作業終了(プロジェクトの終了)は 11 日目になるので、当初の 12 日から 1 日短縮される。
ただし、この場合は中段のルート(A-C-F-I-J)にあった 1 日の余裕がなくなるので、このルートもクリティカルパスになる。
前後の問題はこちら。