基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問52
プレシデンスダイアグラム法(アローダイアグラムの様な作業工程を図示する方法)についての問題。
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平成31年度 春期 午前 問52
ある会場で資格試験を実施する際のアクティビティである "受付" と "試験" の依存関係のうち、プレシデンスダイアグラム法 (PDM) の開始-終了関係はどれか。
ア 受付の開始から 30 分経過したら、試験を開始する。
イ 受付の終了から 10 分経過したら、試験を開始する。
ウ 受付の終了から 45 分経過したら、試験を終了する。
エ 試験の開始から 20 分経過したら、受付を終了する。
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解説
プレシデンスダイアグラム法、なにか難しそうな名前がついている。
アローダイアグラムのように作業工程を図示する方法の一つ。
プレシデンスは precedence で “先行“ とか "優先" といった意味になるとのこと。
理解の助けにはならなそうな情報でした。
プレシデンスダイアグラム法では作業(アクティビティ)間の依存関係を決める。
依存関係は先にある作業の開始と終了と、後にある作業の開始と終了を組み合わせた 4 種類がある。
- 開始 - 開始
- 開始 - 終了 ※問題になっている依存関係
- 終了 - 開始
- 終了 - 終了
開始を S (start)、終了を F (finish)として上から順に SS、SF、FS、FF と記載することもある。FF があると FR を混ぜたくなる。ついでに MR も。
選択肢アは "受付の開始から 30 分経過したら、試験を開始する"。
受付というアクティビティの開始をトリガーとして、試験というアクティビティが開始になるので、開始 - 開始(SS)関係になっている。
受付の開始と試験の開始に 30 分の時間差があるが、これをラグと呼ぶ。
受付が 10:30 に開始できたら、10:30 に受付を済ませても 10:55 に受付を済ませても、試験は 11:00 から開始される。
早めに受付済ませて、慌てないようにしましょう。
選択肢イは "受付の終了から 10 分経過したら、試験を開始する"。
受付というアクティビティの終了をトリガーとして、試験というアクティビティが開始になるので、終了 - 開始(FS)関係になっている。
誰かが遅刻したり不測の事態で受付が 30 分長引いたら、試験の開始も 30 分遅れることになる。また、ギリギリで受付をしても 10 分の準備時間は確実にあるので、受験者にとっては優しいシステムにみえる。
選択肢ウは "受付の終了から 45 分経過したら、試験を終了する"。
受付というアクティビティの終了をトリガーとして、試験というアクティビティが終了になるので、終了 - 終了(FF)関係になっている。
どんなに遅刻しても受付さえできれば、少なくとも 45 分は試験の時間がもらえる。
遅刻者にもある程度の救済があるシステムにみえる。
選択肢エは "試験の開始から 20 分経過したら、受付を終了する"。
試験というアクティビティの開始をトリガーとして、受付というアクティビティが終了になるので、開始 - 終了(SF)関係になっている。
なので問題の正解は選択肢エになる。
試験が始まってから 20 分は受付がやっているということ。20 分までの遅刻は許す。
情報処理試験の遅刻についても同じようなシステムだったはず。
IPA のページを見ると "交通機関の事故などいかなる理由でも、試験開始後 30 分を超える遅刻の場合、入室できません" とのこと。
受験料を無駄にしないように、余裕をもっていこう。
前後の問題はこちら。