基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問49
プログラムの不良修正を題材にした計算問題。
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平成31年度 春期 午前 問49
条件に従うとき、アプリケーションプログラムの初年度の修正費用の期待値は、何万円か。
[条件]
(1) プログラム規模:2,000k ステップ
(2) プログラムの潜在不良率:0.04 件/k ステップ
(3) 潜在不良の年間発見率:20%/年
(4) 発見した不良の分類
影響度大の不良:20%、影響度小の不良:80%
(5) 不良 1 件当たりの修正費用
影響度大の不良:200万円、影響度小の不良:50万円
(6) 初年度は影響度大の不良だけを修正する
ア 640
イ 1,280
ウ 1,600
エ 6,400
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解説
午前の問題で複雑な計算が必要になるケースはほぼないので、問題を間違えないように文章をしっかり読むことが大事。
問われているのは [条件] に従ったときの、"初年度" の "修正費用の期待値"。
[条件] を順番に理解していく。
(1) プログラム規模:2,000k ステップ
プログラムのステップ数に関する情報。
2,000k なので 2百万ステップということ。結構規模がでかい。
(2) プログラムの潜在不良率:0.04 件/k ステップ
プログラムの 1 kステップあたりに含まれている不良の期待値が 0.04件であるということ。
プログラムは 2,000 kステップなので、0.04 件/kステップ × 2,000kステップ = 80 件の不良がこのプログラムに潜在的に含まれている可能性があることになる。
(3) 潜在不良の年間発見率:20%/年
1 年ごとに潜在不良(上で計算した 80 件)の 20%、つまり 16 件の不良が見つかるということ。
この問題では初年度の話をしているので、最初の 1 年でみつかるであろう不良の数を考えればいい。
1 年ごとに 16 件見つかるのだから、初年度には 16 件の不良が見つかる。
(4) 発見した不良の分類
影響度大の不良:20%、影響度小の不良:80%
不良が見つかったときに、影響度大と影響度小にわけられ、その割合は 20%:80% になるということ。
初年度は全部で 16 件の不良が見つかる可能性があるので、影響度大が 3.2件、影響度小が 12.8件見つかる可能性があることになる。
件数なのに整数になっていないが、期待値の話をしているので問題なし。
期待値の話はこちらで長々と書かせてもらっている。
計算の途中でちょうどにならず小数点とかでてくると、途中で何かミスしたかと不安になる。
(5) 不良 1 件当たりの修正費用
影響度大の不良:200万円、影響度小の不良:50万円
初年度に見つかるであろう不良は影響度大が 3.2 件、影響度小が 12.8 件なので、各々の修正費用は以下のようになる。
- 影響度大: 3.2 件 × 200 万円/件 = 640 万円
- 影響度小: 12.8 件 × 50 万円/件 = 640 万円
(6) 初年度は影響度大の不良だけを修正する
初年度は影響度小の不良がみつかっても放置するので、初年度の修正費用は影響度大のものだけをみればよい。ということで 640 万円となり、選択肢アが正解。
[条件] を上から順番に処理していけばよいので、比較的素直な問題である。