基本情報技術者試験 令和元年度 秋季 午前 問15
RAID についての問題。
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令和元年度 秋期 午前 問15
RAID の分類において、ミラーリングを用いることで信頼性を高め、障害発生時には冗長ディスクを用いてデータ復元を行う方式はどれか。
ア RAID1
イ RAID2
ウ RAID3
エ RAID4
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解説
RAID(Redundant Array of Independent Disk)
Redundant:冗長
Array:アレイ、配列
Independent:独立した
なので、複数ディスクを並べて冗長な配列を作る仕組み(余計わかりにくい)。
RAID は複数のディスクを纏めて 1 つのディスクに見せる技術である。
ディスクを纏めるときにどのように纏めるかで、RAID0 ~ RAID6(RAID7?)の方式に分かれる。
よく見るのは RAID0、RAID1、RAID5、RAID1+0 あたり。
RAID2、RAID3、RAID4 は仕事でも見たことない。ので、無視する。
RAID の説明のため、以下の様な状況を考えることにする。
あるデータがディスクに書き込みされている。
データは一定のサイズでブロック単位(図では A, B, C, D)に分割され、順番にディスクに書き込まれていく。
この状況でディスクを複数にして、RAID を構成してみる。
まずは RAID0(ストライピング) から。
RAID0 は書き込みの高速化を目的にしている。
図のように、ブロック単位にしたデータを複数のディスクに分散して同時に書き込む。
ディスクが 1 台だった時と比較すると、ディスク当たりに書き込まれるブロックが 4 個から 2 個になっている。
RAID0 のメリットは、
- データの書き込みが高速化される(複数ディスクに分散して同時に書き込むため)。
- RAID でまとめるディスクの容量を合算した、大きな単一のディスクとして扱える。
一方のデメリットは、
- ディスクが 1 台でも壊れるとデータが復元できなくなる(データを構成するブロックのどれかは無くなってしまうため)。
次に RAID1(ミラーリング)について。
RAID1 は信頼性の向上を目的にしている。
ということで、問題の正解は選択肢アの RAID1 である。
図のように、複数のディスクに同じようにデータを書き込む。
ディスクが 1 台だった時と比較すると、各ディスクが同じデータを持つことになるので、冗長なことをしている。
RAID1 のメリットは、
- ディスクが 1 台壊れたとしてもデータが復元できる(各ディスクに全てのブロックが存在しているため)。
一方のデメリットは、
- ディスクが 2 台あっても、ディスク 1 台分の容量しか使えない(複製したデータの保管だけに 1 台分のディスクが消費されるため)。
- ディスクが 2 台あっても、RAID0 のように高速化はされない。
RAID5 や RAID1+0 の説明も書こうと思ったけど、図を作るのが疲れたので省略。。。
- RAID5 はパリティという考え方で、信頼性の向上と高速化を両立している。最低でも 3 台のディスクが必要になる。
- RAID1+0 は、RAID1 の考えでミラーリングした環境を 2 組用意して、RAID0 の考えでそれらに分散して書き込みをするもの。最低でも 4 台のディスクが必要になる。
RAID0 も RAID1 も原理としてはディスクを 3 台、4台と増やしていくことができる。
ただし、増やすほどに RAID0 はデータが消失しやすくなり、RAID1 は不要なほど信頼性が高くなる。
非常に雑な定義ではあるが、障害で 1 年に 1 日使えなくなるディスクを考えてみる。
稼動率は 364日/365日 ≒ 99.726 % とする。
※ディスクの稼動率でこんな考え方は微妙ですが、そこはご容赦を。
RAID0 はどれか 1 台でも壊れたらデータが消失する。
RAID1 はどれか 1 台でも残っていればデータは保たれる。
稼動率を計算すると以下のようになる。
ディスク台数 | 稼動率(RAID0) | 稼動率(RAID1) |
2台 | 0.99452 | 0.999992 |
5台 | 0.98637 | 0.99999999... |
10台 | 0.97293 | 0.99999999... |
RAID1 は 2 台もあれば 1 年で使えない時間が 1 日から 4 分まで短くなる。5 台とかにしたらもう 1 秒にもならない。
RAID0 は 2 台だと 1 年で使えない時間が 1 日から 2 日と倍になる。5 台だと約 5 日 使えなくなる。
RAID0 がもっと劇的に使えなくなる時間増えるかと思ったけどそうはならず、非常につまらない結果である(定義のせい)。
前後の問題はこちら。