基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問73
シェアリングエコノミー (共有経済)についての問題。
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平成31年度 春期 午前 問73
シェアリングエコノミーの説明はどれか。
ア
IT の活用によって経済全体の生産性が高まり、更に SCM の進展によって需給ギャップが解消されるので、インフレなき成長が持続するという概念である。
イ
IT を用いて、再生可能エネルギーや都市基盤の効率的な管理・運営を行い、人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を実現するという概念である。
ウ
商取引において、実店舗販売とインターネット販売を組み合わせ、それぞれの長所を生かして連携させることによって、全体の売上を拡大する仕組みである。
エ
ソーシャルメディアのコミュニティ機能などを活用して、主に個人同士で、個人が保有している遊休資産を共有したり、貸し借りしたりする仕組みである。
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解説
シェアリングエコノミー(Sharing Economy)
Sharing は共有、Economy は経済 で、共有経済という意味になる。
人、モノ、場所、時間、技術、サービス、などなど、あらゆる資産を貸し借り(共有)するという考え方。
なので、これと同じことを言っている「ソーシャルメディアのコミュニティ機能などを活用して、主に個人同士で、個人が保有している遊休資産を共有したり、貸し借りしたりする仕組みである」 の選択肢エが正解である。
遊休資産とは使われずに遊んでしまっている資産のこと。
使う機会さえあればお金を稼げるので、非常に勿体ないことになる。
- Uber Eats は "移動手段と時間" という個人の遊休資産を共有している。
- Airbnb は "スペース" という個人の遊休資産を共有している。
- メルカリは "モノ" という個人の遊休資産を共有している。
この貸し借り(共有)を仲介するための場を提供する企業をプラットフォーマーと呼ぶ。
人が次々に集まる場を提供するプラットフォーマーとなれれば、仲介による手数料(お金)がチャリンチャリンとはいってくる。
仲介する仕組みを作るので、プラットフォーマー本人は資産を持っていなくていい。
アイデア勝負。
選択肢ア「IT の活用によって経済全体の生産性が高まり、更に SCM の進展によって需給ギャップが解消されるので、インフレなき成長が持続するという概念である」はニューエコノミーと呼ばれるもの(初めて聞いた)。
選択肢イ「IT を用いて、再生可能エネルギーや都市基盤の効率的な管理・運営を行い、人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を実現するという概念である」はスマートシティの考え方。
都市という巨大な規模で全体最適化を図ることになるので、AI 技術を活用したビッグデータ解析が重要になってくる。
IoT 技術で現実(Physical)を全て仮想空間(Cyber)に投影すれば、全てをデータとして AI が扱うことができるようになる。
仮想空間で AI 技術を用いて最適化をした結果を、現実に反映するようなことをする。
IoT はモノがインターネットに繋がって便利になる他に、現実のモノ(とそれがもつ情報)を全て仮想空間で扱えるようになることも利点となる。
選択肢ウ「商取引において、実店舗販売とインターネット販売を組み合わせ、それぞれの長所を生かして連携させることによって、全体の売上を拡大する仕組みである」はクリック&モルタルと呼ばれる(らしい。またも初耳。)
実店舗のみをブリック&モルタル。インターネット販売のみをピュアプレーヤーとも呼ぶらしい。
前後の問題はこちら。