基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問70
プロセスイノベーション、プロダクトイノベーションについての問題。
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平成31年度 春期 午前 問70
プロセスイノベーションに関する記述として、適切なものはどれか。
ア 競争を経て広く採用され、結果として事実上の標準となる。
イ 製品の品質を向上する革新的な製造工程を開発する。
ウ 独創的かつ高い技術を基に革新的な新製品を開発する。
エ 半導体の製造プロセスをもっている他企業に製造を委託する。
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解説
イノベーション(innovation)は革新とか改革といった意味をもつ。
プロセス(process)は過程とか手続きといった意味をもつ。
なので、プロセスイノベーション(≒ なにかの過程を改革)に関する記述として適切な正解は選択肢イ「製品の品質を向上する革新的な製造工程を開発する」となる。
プロセスイノベーションと対になりそうな言葉がプロダクトイノベーション。
プロダクト(product)は製品という意味なので、プロダクトイノベーションは製品を改革となる。
選択肢ウ「独創的かつ高い技術を基に革新的な新製品を開発する」がプロダクトイノベーションのことを説明している。
選択肢ア「競争を経て広く採用され、結果として事実上の標準となる」はデファクトスタンダード(de facto standard)のこと。
公的な認証がある訳ではないので "事実上の" となる。
DVD の次の規格として HD DVD と Blue Ray Disc が競争をしていたが、結果として Blue Ray Disc がデファクトスタンダードとなっている(Blue Ray 側だけに何かしらの公的な認証があった訳ではない)。
選択肢エ「半導体の製造プロセスをもっている他企業に製造を委託する」はプロセスイノベーションとあまり関係ない話。"プロセス" 単語つながりのひっかけだろうか。
半導体の製造で 7nm プロセスとか 5nm プロセスといった言葉がでてくる。
ここでの 7nm とか 5nm は半導体素子のスケールを表すような数値になる。5nm の精度で加工ができるというイメージ。
原子の大きさが約 0.1 nm なので、5nm は原子 50 個分の幅しかない。
人が日常見ている大きさの物体にはアボガドロ数(6.02 × 1023)程度の原子が含まれている。
6.02 × 1023 = 602000000000000000000000 なので、50 個分の幅はとんでもなく細かいものである。
前後の問題はこちら。