基本情報技術者試験 平成31年度 春期 午前 問55
ベンチマーキング、ベンチマーク、プロセス改善についての問題。
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平成31年度 春期 午前 問55
サービスマネジメントのプロセス改善におけるベンチマーキングはどれか。
ア
ITサービスのパフォーマンスを財務、顧客、内部プロセス、学習と成長の観点から測定し、戦略的な活動をサポートする。
イ
業界内外の優れた業務方法(ベストプラクティス)と比較して、サービス品質及びパフォーマンスのレベルを評価する。
ウ
サービスのレベルで可用性、信頼性、パフォーマンスを測定し、顧客に報告する。
エ
強み、弱み、機会、脅威の観点から IT サービスマネジメントの現状を分析する。
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解説
ベンチマーキングと聞くと CPU やネットワークの性能測定をするベンチマークテストがまず思い浮かぶ。プラットフォームが得意分野の koki2016 です。
ベンチマーク(benchmark)の言葉はもともと測量における水準点を示す言葉になる。
そこから転じて、基準とか指標の意味でシステムの分野でもよく利用されている。
何かしらの基準や指標になるもの(ベンチマーク)を決めて、その指標に対して自社の製品やサービスがどの程度の位置にいるかを評価することがベンチマーキングとなる。
ある PC ゲームに必要な GPU の描画に関する性能数値がベンチマーク(=何かしらの指標)として決められていて、それに対して所有している PC に搭載されている GPU の性能がどの程度の位置にいるかを測定することがベンチマーキングになる。
Ryzen5 では Final Fantasy XV は全く動かなかったが、聖剣伝説3は快適に動いた。
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業界内外のベストプラクティスをベンチマーク(=何かしらの指標)とし、それと比較して自社のサービス品質やパフォーマンスがどの程度のレベルにあるかを評価することもベンチマーキングになる。ということで正解は選択肢イである。
問題にあるように "サービスマネジメントのプロセス改善" のためベンチマーキングが実施される。
こうなりたいの理想の状態(To Be)であるベストプラクティスと、現在の状態(As Is)を比較するベンチマーキングを実施すれば、理想の状態に近づくための改善点がみえてきて、プロセス改善が可能になる。
改善点があまりに多くでてくると精神的に辛くなるけど、伸びしろがそれだけあると考えよう。
他の選択肢について。
選択肢アはバランススコアカードの話
財務、顧客、社内プロセス、学習と成長、の 4 つの観点で評価をして、戦略のマネジメントに活用する。
どう稼ぐかだけでなく、顧客にどうアプローチしていくか、社内の業務プロセスをどう改善していくか、組織や社員をどう成長させていくか、といったことも考える。
選択肢ウは SLO(Service Level Objective:サービスレベル目標)の話(多分)。
サービスに関して可用性や信頼性、パフォーマンスなどの目標水準を設定する。
SLA(Service Level Agreement)という言葉とよくセットになる。
顧客と合意したサービスレベル(SLA)を守るための指標として SLO が設定される。
選択肢エは SWOT 分析の話
強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の観点で自社のサービスを分析する。
色々な研修で SWOT 分析は聞くことになる。
前後の問題はこちら。